3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。ウォーハンマー 。たまにその他。役に立たない1000文字系短文駄文です。

【本日記】英霊剣豪から無理やり隆慶センセを勧めるマン。

ゲーム…のようで本の話です。

FGO』の新シナリオ「屍山血河舞台 英霊剣豪七番勝負」ですが、ウチとしては変化球無しの王道ど真ん中ストーリーで存分に楽しませて頂きました。f:id:Wacky244:20171024100403p:imageなんせ前回の『亜種2アガルタ』が個人的には色々モヤるシナリオだったもんで。ね〜。で、Twitterあたりで散々言われてるコトですが、今回のシナリオはみんな大好き山田風太郎センセの傑作伝奇小説『魔界転生』のオマージュ。というかぶっちゃけほぼ山風なんですが、流石にコレを「パクリ」認定して権利団体にまで凸ってる人たちは大層ピュアでジャスティスな永田裕志ばりのハートをお持ちなんだなぁ…とハートウォーミンな気分になってしまいました。ゼァ‼︎

まぁウチはあのヤマフーメソッドは素晴らしすぎてもう一つスタンダードフォーマットになっちゃってると思う派なので「英霊剣豪」も特にパクリとは思わなかったです系。コレをパクリと言うなら今のバトル漫画の大半は車田御大のパクリと言えちゃうんじゃないかなぁ…っと。だからココは『魔界転生』の新しい子供が生まれたコトを喜び、ソレを楽しんだ方がイイんじゃないかなぁと思うんですけどね。山風センセがそれだけ偉大だったんだと思いますし。

で、ここからが本題。

今回の「英霊剣豪」で剣豪ラブに改めて目覚めた方々はAmazonで文庫版『魔界転生』をポチり、Googleの画像検索でモニタいっぱいに出てきた映画版ジュリー天草のカッチョ良さに大失禁しているコトと思いますが、ウチからダメ押し気味に更におススメしたいのが劉慶一郎センセの傑作伝奇柳生系短編小説『柳生非情剣』。特に「英霊剣豪」で柳生パッパにメロメロになっちゃった業が深い柳生萌え衆にはマジマストと言える傑作小説なんですよ。

劉慶センセと言えば、「風流せい!!」の名言で天下獲っちゃったあの超人気漫画『花の慶次』の原作者として有名ですが、もちろん原作の『一夢庵風流記』も『花の慶次』をぶっちぎるくらいに面白いんですよね。そんな劉慶センセの作品の特徴、魅力と言えば網野学説のような民俗学的知識やら何やらありますが、個人的にはそんな風に様々な文献、学説を徹底的に調べ丁寧に作り上げためちゃ説得力のある世界の中を、ラオウ級超人系主人公が縦横無尽に暴れまわるケレン味満載のカタルシスにあると思うんですよね。なんちゅーかダイナミックで味付けが濃いと言いますか…司馬遼太郎の小説が高級料亭の上品な和食料理とするなら、劉慶作品は東京カレー戦争のブラックカレーみたいな感じ? つまりは刺激性と中毒性がハンパないワケです。マジドラッグ級でやめられないとまらない。『柳生非情剣』は、そんなドラッグマスター劉慶センセが日本人ならみんな大好き柳生一族を題材に柳生ラブ&剣豪ラブをさらにケレン味増量気味に詰め込みまくってるんだから面白くないワケがなく、とにかくね、ベラボーに面白いんですよ。マジで。

劉慶センセの柳生へのラブ&業は相当なモノでそのラブの深さは主人公達のチョイスにも出ちゃってます。一般的に「柳生」と言えば柳生石舟斎、十兵衛、宗矩、もしくは柳生兵庫介あたりがチョイスされがち。しか~し…この小説では十兵衛こそいますが、それ以外は「柳生連也斎」「柳生友矩」「宗冬」「新次郎」「五郎右衛門」という剣豪クラスタ以外では「誰やねんソレ?」的なチョイス。正直、連也斎以外はキャラが薄すぎて他の柳生系小説だとモブ的扱いも致し方無しな方々です。しかし劉慶センセの固有スキル「超人属性エンチャント」+柳生愛+超筆力にかかると、この一般日本人にとってはモブいハズの面々が修羅の国の羅将ばりに超強いキリング剣豪、剣鬼になっちゃって、その剣鬼たちの凄まじいまでの生き様、業の深さ、つまりは愛しさと切なさと心強さにウチなんかはハートをヨユーでぶち抜かれちゃうワケなんですよ。例えば一般には家光にケツの穴献上して出世した系でヘイト満載に描かれる友矩も、隆慶センセの手にかかれば十兵衛をも超える天稟を持ちながらも己の死すべき運命を涼やかに受け入れるトキばりの天才ナイスガイ柔の剣士スマイリー友矩になっちゃいますし、戦で半身不随になっちゃったせいで一般には無かったコト扱いの新次郎なんかは、逆にその過酷過ぎる運命と憎しみ故に剣鬼覚醒しちゃって、石舟斎パパも身震いしちゃうほどドエライコトになっちゃうワケです。マジヤバない?

FGO』の「英霊剣豪」ラストでも剣に生きる人間の業が浪漫ちっくに描かれてグッときちゃいますが、この『柳生非情剣』はその「剣士の業」がさらに濃度120%増しで詰め込まれているので、「英霊剣豪」シナリオにグッときちゃった方ならハートにヒットすること間違いなし。なので『魔界転生』をポチるついでに、この本もポチって貰えたらめちゃ嬉しいコトこの上無しです。しつこいようですが…ホントにマジでめちゃんこ面白いので、少しでも気になった人は読んでみて下さいね~。わりと鳥肌モンですから。(隆慶センセへの想いが溢れて2043文字)