3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。ウォーハンマー 。たまにその他。役に立たない1000文字系短文駄文です。

コミック版『エマノン』ゲッツだマン。

先週末は久しぶりの散財三昧でゲームやら漫画やら色々買っちゃったワケなんですが、その中でも超テンチョン上がっちゃった買物が作画:鶴田謙二のコミック版『エマノン』の2巻と3巻。
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1巻は持っていたのですが恥かしながら続巻が出ていたのを全く知らなかったんですよね。
このコミック版『エマノン』シリーズ、元々ウチは梶尾真治センセの原作小説自体が大好きだったのですが、それがコミカライズされちゃってしかも作画がこれまた大好きな鶴田謙二センセ!! 好き×好きの夢の魔合体でとんでもない傑作コミックが生まれちゃってたってコトなんですよ。…わかります?

この『エマノン』シリーズの内容をザッと説明しますと、地球に生命が誕生してからの30億年にわたる生命の記憶を全て引き継いでもっている「エマノン」という少女の物語なんですよね。
彼女は「地球の記憶」とでもいうべき30億年分の記憶を持っているのですが、決して不老不死の存在ではなく普通の人と同じように成長し年老いて死んでいく存在です。そのさすらいの人生の中で歳をとり、次の世代を出産し、その子供が全ての記憶を引き継いでまた新しい「エマノン」として生きていく…そうして世代を重ねて延々と生き続ける少女達が、その人生の中で束の間誰かと出会い、何かを残し、そして別れていく…そんな少し切ない物語なんですよね。

著者の梶尾真治センセの小説を読んだことがあるヒトならお分かりでしょうが、梶尾センセの小説はデビュー作『美亜に贈る真珠』や『クロノスジョウンター』シリーズに代表されるように、「時間」という題材を通して人の感情をリリカルに書き出す作品が特徴だと思うんですよね。もちろんそれ以外にもハードな作風のSF大作やコメディタッチな作品も書かれてますが、やはりリリカルな作品の方が有名なんじゃないかなぁ…っと。で、この『エマノン』シリーズもそうしたリリカルで切なーい物語なんですよ。

少しばかり脱線しましたがこの『エマノン』シリーズ、そのリリカルな物語もさることながら主人公のエマノンという少女がホントに魅力的なワケで… どれくらい魅力的なのかはウチのようなボンクラには到底コトバで説明できないのですが、とにかく素敵で魅力的で大好きなんですよ。ホントに。
どれくらい好きかと言いますと、ウチの中での「フィクション界で好きな女性ランキング」でエターナルチャンピオン音無響子さんと並んで同率1位に位置するくらいに大好きなワケなんですよ。…若干キモかったですね。すんません。

そんな大好きな『エマノン』がコミックになっちゃったワケで、通常なら脳内(の勝手な)イメージと違ってちょっとガッカリ…てなコトになるトコロだったのですが、ここで奇跡が!!
なんとツルケンさんの描かれたエマノンがウチのイメージとピッタリだったんですよ!! マジで。
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もうツルケンさんのエマノンの絵を元に小説が後から書かれたんじゃないの?って混乱するくらいに原作のイメージそのまま。もうホントにアンビリーバボー!! 多分原作のファンの方でも100人中99人は納得するイメージドンピシャぶりじゃないですかねぇ。実際、原作者の梶尾センセもコミックあとがきでそのようなコトを述べられてますし。
またエマノンだけじゃなく、他の登場人物やら風景やら背景やら何やらも、ツルケンさん独特の繊細でいてどこか懐かしいようなタッチがこのリリカルな作品にホントに合ってるんですよ。
素晴らしい原作にこれまた素晴らしい作画で実現したこの上なく幸福なコミカライズ作品。それがこのコミック版『エマノン』シリーズなんじゃないですかねぇ。

漫画が好きだったりSFが好きなヒトなら絶対読んで損しない作品だと思いますので、興味がある方は是非とも読んでみて下さい。ホントにオススメですから。
あ、もちろん原作小説も超オススメですよん。短編集で読みやすいですし、原作を読まれてからコミック版を読むとエマノンがイメージ通りなのにビックリすること請け合いですし…とにかく両方オススメってコトですわ。さぁ今すぐ書店へゴーじゃんよ!!