読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。たまにその他。役に立たない短文駄文ですヨ。この世を燃やしたって一番ダメな駄文は残るですヨ!!

『風よ。龍に届いているか』やっぱサイコーだマン。

少し前の話になりますけど、ついにkindle版がリリースされましたよねー。ベニー松山先生による日本ファンタジー小説界の伝説的名著『風よ。龍に届いているか』が。

f:id:Wacky244:20160718155837j:image
f:id:Wacky244:20160718155849j:image
元々は20年以上も前に、当時のファミコン攻略雑誌『ファミコン必勝本』に連載、のちに同じ出版社の宝島社から単行本化された小説で、これまた神話的コンピュータRPGでもある『Wizardry』を見事にノベライズした作品なんですよね。ウチも当時むさぼるように読んでたクチで宝島社の初版本も当然持っていたのですが、いつのまにか行方不明になっちゃってkindleでの復刊をずっと待っていたんですよね。

 そんなレジェンド的名著『風よ。龍に届いているか』ですが、内容は原作ゲームのエピソード3にあたる「リルガミンの遺産」をノベライズしたもので、前著にあたる原作のエピソード1「狂王の試練場」をノベライズした『隣り合わせの灰と青春』の続編とも言える作品です。もちろんこの小説単体でもべらぼーに面白いのですが、『隣り合わせの~』を読まれた後で読むと感動と面白さがスクエアされるので是非とも『隣り合わせの~』から読んで頂きたい所存。あとついでに原作ゲーの『WIZ』1~3まで遊んでから読むとカンペキ。良い意味でシンプルすぎるあの原作ゲーから、よくぞこの物語を紡ぎ出したものだと感激アンド驚愕すること間違いなしですよ。ホントに。

 ちなみに原作でもある『WIZ』1~3の内容をサラっとフワッと説明しますと…

 WizardryⅠ 狂王の試練場』

邪悪な魔法使いワードナに魔法の魔除けを奪われた狂王トレボーが、迷宮の奥に住まうワードナを討伐し魔除けを取り戻すために国中にご布令を出し迷宮に挑む冒険者を募る。主人公は莫大な富と名誉を求めてこの街に集まった有象無象の冒険者の1人となり、他の冒険者とパーティを組み危険なワードナの迷宮に挑む。

 WizardryⅡ ダイヤモンドの騎士』

神ニルダより与えられしニルダの杖の加護によりあらゆる外敵から守られてきた聖なる都リルガミン。しかしその内部で生まれた邪悪なる魔人ダバルプスにより王位は簒奪されてしまう。唯一生き延びたアラビク王子とマルグダ王女は協力して伝説のダイヤモンドの騎士の装備を取り戻し、激戦の末ダバルプスを討ち取ることに成功する。しかし死の間際にダバルプスが発した呪いの呪文によりリルガミン城は崩れ去り、ダバルプスとアラビク王子、そしてニルダの杖は地下深く消え去ってしまった。杖を取り戻し再びニルダの加護を得るために、あのワードナの迷宮に挑んだ歴戦の冒険者たちが再び集い、呪いの大穴へと挑む。

 『WizardryⅢ リルガミンの遺産』

狂王トレボーと魔法使いワードナの時代から数世代もの時が過ぎ、世界はニルダの加護すら及ばぬ天変地異に襲われる。リルガミンの賢者により天変地異の原因を探るためには聖なる竜ル・ケブレスが守る神秘の宝珠が必要とわかり、神秘の宝珠を手に入れるため冒険者たちはル・ケブレスが守護する迷宮に挑むこととなる。その彼らの中には遠い昔にワードナの迷宮に挑んだ冒険者たちの子孫の姿もあった…


 …とまぁ、そんな感じのストーリーなんですね。

で本題に戻ると、このベニ松センセの『風よ。龍に~』は先ほど書いたようにエピソード3「リルガミンの遺産」の物語なんですが、エピソード2「ダイヤモンドの騎士」もうまーく組み込まれているんですね。つまりは『隣り合わせの~』でエピソード1、『風よ。龍に~』でエピソード2と3が奇麗にノベライズされており、この2冊で原作のリルガミン3部作、俗に言う『リルガミンサーガ』にドップリ浸かれるってワケなんですよ。ベニ松センセマジ凄すぎですわ。ホント。

 具体的な内容についてアレコレ書くと、未読の人にはネタバレになり興ざめでしょうから詳しくは書きませんが、物語はゲームでいえば終盤、ル・ケブレスがいるダンジョン最終層に突入するあたりから始まります。つまりはいきなりクライマックス感でトップスピード。でもって一度読み始めればもうダメ。とにかく一気通読で途中で止められないんですよ。

何と言いますか…ベニ松センセが原作ゲームの世界を咀嚼して完全に自分のモノにしちゃってるのが本当に凄い。原作ゲームでは全く触れられていないようなコトも、想像の翼をロック鳥なみに広げて補完していき物語に落とし込んでいて、その想像で補われた部分がリアリティといいますか違和感を全く感じさせないんですよね。

この『WIZ』ってゲームは、そもそもストーリーなんて本当に必要最低限の説明ぐらいしかなくて(逆にこのストーリーがないってトコロがこそが、プレイヤー自身がプレイしながら自分だけのストーリーを紡いでいくという『WIZ』の素晴らしいトコロなんですけど)、それこそさっきササッと書いたくらいのモノなんですが、それをコレだけの読み応えのある小説にしてしまうってのは本当に素晴らしいなぁ…と思うんですよ。

 剣と魔法。戦い。生と死。友情。愛情。

…全部ぎっちぎちに詰まってます。そりゃ面白いに決まってますよ。

 あと個人的にはベニ松センセの文体も大好きなんですよね。どことなく夢枕獏センセを彷彿とさせる太い文体のおかげで余計グイグイくるんですよ。物語に重みがあるというか…とにかくそんな感じなんです。ウチにとっては。

正直、初めて読んだ時から20年以上も経ち、中年のオッサンになった今となっては当時のように物語に入り込めるか若干の不安はあったのですが杞憂。超杞憂。すでにkindle版を2回通読しちゃいましたわ。もしファンタジー小説や冒険小説が好きで未読の人がいたら絶対に読んでほしい1冊ですわ。というか小説好きなら全員におススメです。

そんな素晴らしい小説がkindle版だったら何とたったの1200円。この名著が1200円で手に入るんだから昼飯2回抜くくらいの気概で頑張って頂きたい。昼飯2回抜いても損はしないけど、本好きがこの小説を読まないのは相当損してるんじゃないかなぁ…。というワケで興味を持たれた方はとりあえず明日と明後日の昼飯抜いて買っちゃってください。腹は満たさないけど、心が満たされること間違い無しですから。

あ、出来れば1作目の『隣り合わせの~』(kindle価格600円)から読んで頂きたいので、昼飯3回抜きで頑張ってください。オッサンとの約束だからな!!