3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。ウォーハンマー 。たまにその他。役に立たない1000文字系短文駄文です。

『ひとりぼっち惑星』が素敵だマン。

ここ数日、Twitter界隈を席捲しまくっているスマホアプリゲー『ひとりぼっち惑星』ですが、皆様もひとりぼっちで送受信しているのでしょうか?
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といっても今はどうやらサーバーエラーらしく、メッセージの受信も出来ずにガチのひとりぼっち気分を味わうという『ひとりぼっち惑星』完成型になっちゃってますけどね。
どうやら作者さんはお1人で切り盛りしているらしいので突然のブームに大変でしょうが、お体を壊さない程度に頑張って頂きたいものですなぁ。はい。

で、この『ひとりぼっち惑星』ですが、実は同じ作者によって作られたスマホゲーが過去に2作リリースされているんですよね。『ひとほろぼし』と『ひとたがやし』というゲームが。
どちらも独特の世界観で、その手のヤツが大好物な面々には刺さりまくっていたので結構有名な作品なんですが、この2作に『ひとりぼっち惑星』を合わせた3作は同じ世界観を共有する、謂わば『ひと』シリーズとでもいうべき作品群なんですよね、今更ですが。
というワケで、『ひとりぼっち惑星』で初めてこの世界に触れた刺さったヒトには、是非とも『ひとほろぼし』と『ひとたがやし』も遊んで欲しいと思うワケなんですよ、ワタクシとしましては。
というワケで…この『ひと』シリーズ(仮称)がどんなモノなのかざっくりと説明させていただきますと…

『ひとほろぼし』

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謎の「なにか」がひたすら人類側兵器を破壊し「ひと」を滅ぼしていくゲーム。
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プレーヤーに出来るコトは「なにか」の攻撃の方向と強さをタップして決めるだけで、ゲームとして面白さは「オモロイ?」と問われると「いや全然面白くないよん」と笑顔で即答できるレベルです。
ついでに「なにか」とは何なのか?どういった状況なのか?何故戦っているのか?等の説明も一切無し。超投げっ放し状態。ノー説明。
ただ「なにか」の体力が尽きるまで液体を発射し続け、攻撃してくる相手ヒコーキやセンシャを破壊するだけ、そんなゲームです。まぁ1回遊べばお腹いっぱいって感じですね。
ただね…この世界観がタマンナイんですよねー。まるで影絵のような寂寥感を感じさせるグラフィックにもの悲しい音楽。それらによって表現されるその戦いはどこか絵本や紙芝居を彷彿とさせます。それらの要素が相まってこのゲーム独特の静かで不吉な雰囲気を醸し出しているんですよねー。
正直「雰囲気ゲー」の域を出ていない作品だとは思いますが、こういう世界観や雰囲気で勝負するってゲームもゲーム界の土壌を豊饒にしていくためには大事なんじゃないかなぁ…と思ったりなんかしたちゃった次第です。おススメはしないけどおススメしたいゲーム。そんな感じ?

『ひとたがやし』

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前作『ひとほろぼし』は謎の「なにか」を操作し「ひと」を滅ぼすゲームでしたが、この『ひとたがやし』はそれに立ち向かう「ひと」側サイドのゲームとなっています。でもその内容がけっこうエグい。「土を耕しそこに苗木を植えて実った「ひと」を収穫する」ゲームなんですよ。
ゲーム内容としては一種のリズムゲーみたいなもので、「耕す」「育てる」「収穫する」のそれぞれの面で画面に表示される矢印方向に素早くフリックしていくコトでカウントを増やしていき、
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最終的に収穫できた「ひと」の数で兵器(ヒコーキやセンシャ等)の数が決まり、自動で謎の「なにか」に攻撃を仕掛けていく…って寸法です。
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他にも若干の育成要素(兵器のパワーアップ等)も加わったりと、
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前作『ひとほろぼし』に比べるとゲーム性はずいぶん上がったと思います。少なくとも一回遊んで終わりってコトはないと思いますしおすし。
でも…やっぱりこのゲームでもキモは世界観ですねぇ。
「ひと」を滅ぼそうとする謎の「なにか」に戦いを挑むワケなんですが、そのための兵士となる「ひと」は果実のように土に植え、育て、そして収穫された「ひと」。つまりは普通の人間ではなく作られた「ひとのような何か」なんですよねー。
「ひと」を滅ぼそうとする「なにか」に対し、人工的に育て収穫された「ひと」を使って戦いを挑む…そこに普通の人間はまだ存在しているのか、それともすでにプログラミングされた人工知能だけが戦い続けているのか…『ひとほろぼし』以上に不気味で不吉なディストピア臭が漂ってきます。そういった雰囲気に琴線が触れない人には単なる凡作リズムゲーでしょうが、そこに刺さる人には強烈にブッ刺さる…そんなゲームだと思いますねー。
ちなみにこの『ひとたがやし』、「なにかのかけら」というモードもあり、
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集めた「なにか」のかけらがそこに保存されていくのですが、その集めた「なにか」のかけらからメッセージが読めるんですね。そのメッセージを読むことでこの世界の秘密が少しずつ分かっていくってワケです。そのテキストを読みながら色々想像するってのもステキポインツですね。

『ひとりぼっち惑星』

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でもって話題の『ひとりぼっち惑星』です。
「なにか」と「ひと」の戦いの後、「ひとりぼっちのいきもの」だけを残して誰もいなくなった世界。それが『ひとりぼっち惑星』の世界です。
「なにか」も「ひと」もすでにおらず、人工知能で動く機械だけが延々と互いを破壊し合う終末後に訪れた静かな世界。
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「ひとりぼっちのいきもの」がそんな終わってしまった世界で、空からの誰かの声を拾い、ひとりぼっちの自分の声を届けるために、壊れた機械の部品を集めてアンテナを大きくしていく…そんなゲームです。
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ちょっと詩的素敵ゲームですよねー。

具体的には地面に散らばっていく機械の部品を集めて、その部品を使ってアンテナを大きくしてメッセージを「受信」「送信」する。要は自分しかいない無人島で空き瓶に手紙を入れて大海に流し、砂浜に届いた誰かの空き瓶の手紙を拾って読む…そんなゲームなんですね。

このゲームが凄いと思うトコロは、そうやって送受信するメッセージが誰のものかが全く分からないってトコロなんですよねー。
通常、こういったメッセージをやり取りするゲームってのは「相手が誰か分かっている」「特定の相手に送るコトが出来る」ってのがデフォルトだと思うんですよ。だって誰に届くかわからず、そもそも誰かに届いたかどうかもわからないメッセージなんて無意味だし切ないモノですから。
でもこのゲームはその「無意味」な行為を敢えて目的にしているんですよねー。そこが素敵やん!!とウチは思うんですよ。

自分が送ったメッセージ が誰かに届くかわからない。届いたメッセージは何処の誰のものかもわからない。この「誰とも繋がれない」けど「誰かは何処かにいる」って感覚ってまさに「ひとりぼっち」なんじゃないですかねぇ? いや、ひとりぼっちになったコトないのでワカンナイんすけどね。
あとウチのうっすーいゲーム知識だと知らないだけで過去にもこの手のゲームは多分あったと思うんですが、この『ひとりぼっち惑星』はそのボトルメール的なアイデアを、とても上手にゲームの要素として組み込んでいるのが素晴らしいと思うんですよね。設定、グラフィック、音楽…それらがあってこその『ひとりぼっち惑星』の魅力だと思うんすよ。ただ単純にボトルメール的な要素を持つだけのゲームだったらココまで惹かれるゲームにはならなかったと思いますしおすし。
個人的にはゲーム内で完結すべきひとりぼっちの世界を、SNSを使ってでも繋がろうとするムーブには「何だかなぁ」って気もしますが、そこもまた人の業って感じで面白いのかもしれませんねー。
ちなみにこの『ひとりぼっち惑星』、最初にアンテナを大きくしていく過程でデフォのメッセージが送られてくるのですが、その最期のメッセージで『ひとほろぼし』と『ひとたがやし』の謎が少し補完されるようになっているんですよね。
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前2作をプレイしてる人にはちょっと嬉しいプレゼントかもしれません。…内容は全然嬉しい話じゃないんですけど。

とまぁこんな感じの『ひと』シリーズ3作ですが、いずれも他では中々味わえない独特の雰囲気を持つ作品群なので、この機会に遊んでみては如何なモンかと愚考するワケであります。『ひとりぼっち惑星』はサーバーエラーが続いており、キモのメッセージ送受信が出来ない状態が続いていますが、そのうち復旧するコトを祈りながらエラーメッセージを見続けるってのも、ガチひとりぼっち感満載で乙なものかもしれませんし。オススメですよん。