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3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。たまにその他。役に立たない短文駄文ですヨ。この世を燃やしたって一番ダメな駄文は残るですヨ!!

車田メソッドが偉大でヤバいマン。

春アニメも始まり我が家のオンボロレコーダーもフル活躍中ですが、皆様方お気に入りの春アニメは御座いましたでしょうか?
ウチはいつものようにご祝儀録画の各1話を絶賛消化中ですが、まぁ半分以上はAパートの最中に消去ボタンを押す羽目になるワケでなっかなかに厳しい戦いを強いられておりますわ。だいたい本数が多すぎるんすよ、深夜枠アニメは。遊び半分じゃとてもじゃないけど追いつけないぜ…おそろしあ。

とまぁそんな感じで選別中ですが、昨日は原作コミックがわりと人気らしい『文豪ストレイドッグス』ってヤツをボーっと見てたんすよ「ああ…ありがちな感じやねぇ」って思いながら。内容は美形主人公パーチー+スタンド系特殊能力モノ? って感じのまぁ流行りっぽいヤツなんですが、見ながら「このテンプレっぽいのいつから始まったんやろ?」とどーでもいいコトをふと考えたんすね。アホですねぇホント。

で、愚考の結果辿り着いたのが車田正美御大。
そう、あの『聖闘士星矢』で一世を風靡しまくった車田御大ですわ。…遡り過ぎちゃったヨ。
まぁウチはリアルタイムで『リンかけ』を読んでたオッサン世代なので、車田御大のインパクトデカ過ぎてかなり御大びいきになってるのかも知れませんが、ソレを差し引いても車田御大はマジグレートなんすよ。『文豪ストレイドッグス』は置いとくとしても、今のバトル漫画はほぼ車田御大の影響を受けてると言っても過言じゃないと思うワケなんですよ。
そりゃー探しゃ御大より前にもオリジンとなるような漫画もあったでしょうけど、仮にそうだとしても、ソレをわかりやすーいカタチでテンプレ化したのは御大の功績なんじゃないかなー?と。
というワケで…せっかくなので車田御大の偉大なるテンプレをざっくり紹介してみたいと思いますわ。まぁこの辺の御大の偉業はもう散々語られ尽くされてるとは思いますし、今更感満載なんですけどねー。でも内勤中の暇つぶしにお付き合い頂ければ幸いと存じます。
それでは『ジャンプ』人気の礎を築いたとも言える『車田メソッド』の凄さをご照覧あれ。

①パーティシステム


リンかけ』時代から一貫してる車田メソッドの大きな特徴、それは「パーティシステム」の導入です。要は「ゴレンジャー」システム。パーソナリティの違う複数主人公ズを導入することで、自分だけのお気に入りのキャラが見つかっちゃう早すぎたアイドル商法。
もちろん、『リンかけ』以前にも同じように複数の主人公キャラがいる作品はあったでしょうが、御大が光ってるトコはそのパーティ構成のあざとさ。『リンかけ』を例に挙げると…

・高嶺竜児
メイン主人公。属性は「不遇」「努力」「熱血」「友情」。典型的な熱血系努力キャラ。血と汗が似合いすぎるザ・少年漫画的キャラクター。王道ど真ん中ですな。ペガサス星矢の原型。

・剣崎順
ライバル主人公。属性は「ライバル」「金持ち」「天才」「クール」「ツンデレ」。主人公の終生のライバルとなる天才ボクサーでもう一人の主人公的存在。最初は主人公を見下しながらも、やがてその力を認め良きライバルとなるキャラ。金持ちで天才だけど卑怯なコトを嫌う男気溢れるナイスガイで当然読者人気は一番。フェニックス一輝の原型。

・志那虎一城
天才剣士系ボクサー。属性は「クール」「サムライ」「冷静」「硬派」「リーゼント」。天才剣士にして天才ボクサー。ウチにアツいハートを秘めた系クールキャラ。いいヤツだけど割と地味。幼少期に父親に羽の代わりに刃をつけた扇風機で特訓させられた経験あり。マジヤバい。ドラゴン紫龍(とキグナス氷河?)の原型。

・河井武士
ピアニスト系ボクサー。属性は「美形」「薄幸」「ピアニスト」「女顔」。指が命のピアニストなのにボクサーという無茶なキャラ。もちろん天才。一応作品きっての美形キャラで作中でも常に女性ファンにキャーキャー言われてるキャラ。必殺ブローは潔くアッパー系のみ。でも「ライトアッパー」「ジェットアッパー」「ジェットラベンダー」と進化するポケモン型のスゲーアッパー。あと「ジェットラベンダー」のネーミングセンスに当時のガキンチョ全員驚愕!! 何だよラベンダーって… アンドロメダ瞬の原型。

・香取石松
ガッツ系ちびキャラ。属性は「熱血」「チビ」「三枚目」「ど根性」「ガッツ」。ゴレンジャーでいうところのキレンジャーポジのキャラ。要は三枚目のギャグ担当。一応「日本Jr.の切り込み隊長」らしくだいたい初戦で登場、華々しく切り込んでボロボロになってた記憶。今となってはまず人気が出ない古き良きオールドスタイルのキャラ。御大もそれを悟っていたのか、『聖闘士星矢』には似た属性のキャラがいません。御大マジ冷酷無比。

・影道総帥
影道の総帥。だから影道総帥。実は剣崎の双子の弟という秘密設定有り。属性は「双子」「謎キャラ」「影の存在」…くらい? 日本ボクシング協会の影とも言えるアヤシゲ軍団「影道一族」の総帥。剣崎の双子の弟というだけあってやっぱ天才。ケンシロウなみに一度見た技をコピー出来たり、相手を麻痺させてからボコったり、しまいには相手の心臓を時間差で破裂させたりとニンジャちっくなキャラ。裏社会の存在のくせに途中からはガシガシ表舞台に登場。あとけっこう物知り。便利キャラ。
聖闘士星矢』では…誰でしょ? ワカンナイや。

…ふぅ…
ざっとこんな感じでバラエティ豊かな主人公キャラが取り揃えられてるってワケっすよ。これだとどんなファンでもどんと来いでどんなカップリングもOKの安心設定なんですね。多い日もマジ安心。御大のサービス精神に震えますわ。

②必殺技システム


今でこそ当たり前のように大安売りされてる必殺技ですが、ウチの記憶ではコイツが大きくフィーチャーされたのも御大の『リンかけ』からだと思うんですよね。もちろん『空手バカ一代』のようにそれ以前にも必殺技が存在した漫画(劇画?)はありましたが、この『リンかけ』は必殺技の次元が違ったんすよねー…マジ必殺。
物語序盤こそは割とマトモだったこの『リンかけ』、「ロープアドープ」みたいな高等テクを駆使して戦うちゃんとしたボクシング漫画だったんですよ…実は。だから最初に生み出された必殺ブロー「ブーメランフック」もまだ何とかマトモな雰囲気だったんですねー…ギリギリだけど。でもこの「ブーメランフック」で御大のハートに火が点いたのか、これ以降必殺ブローの必殺度が超急上昇。主人公の高嶺竜児の必殺ブローだけを見てみても…

①ブーメランフック
回転を加えたコークスクリュー型フック。最初こそマトモっぽかったが戦うごとに謎のパワーアップを果たし喰らった相手はヨユーで場外に吹き飛ぶ事態に。マジ必殺。

②ブーメランスクエア
スクエアなので二乗。要は更に回転しちゃったブーメランフック。もちろん喰らった相手は更に回転しながら場外に吹き飛びます。もうすっげー吹っ飛ぶ。この辺りからかなりヤバいです。割とマジ必殺。

③ブーメランテリオス
ギリシア12神戦でお目見えした新必殺ブロー。初めて喰らった相手が「この技は…まさか…」と意味深に引っ張るもその後解説はなし。とにかくスゴイらしいっす。あと演出がやたら派手。テリオステリオステリオステリオス…かなりマジ必殺。

④ウイニング・ザ・レインボー
超天才お姉ちゃんから最後に伝授された高嶺竜児の最終必殺ブロー。とにかくスゴイアッパー。喰らったらオメデタイ感じに虹がパァー…っと出てきます。喰らうと盛大に真上に吹っ飛ぶ系。もちろんマジ必殺。

…てな具合にスゲー勢いで必殺していってます。
この他にも何故か発電所で秘密の特訓を積んで生み出された「ギャラクティカマグナム」や、旧約聖書の「創世記」を暗唱するだけで相手が吹っ飛ぶサイッキョブロー「ネオ・バイブル」などやりたい放題。とにかくド派手でインパクツ重視の必殺技のオンパレードになっていったワケなんですよ。でもこの路線が当時のガキンチョのハートを鷲掴み。これ以降バトル漫画に必殺技は欠かせなくなっていったワケですねー。ちなみにこの頃にすでに「見開きで背景に宇宙」「BAGOOOOON!!の派手な効果音」といった車田美学は開花しまくってます。マジ必殺だぜ…

③仲間増殖システム


今のバトル漫画に欠かせない展開その3。それが「昨日の敵は今日の友」システム。つまりは戦った相手が次の敵との戦いの時には仲間になってどんどんパーティが強化されるアレですね。コイツも車田メソッド
迫りくる新たな強大な敵。ピンチに陥る主人公ズ…まさに絶対絶命!! そこでページを捲るとバーンっと登場するのはかって死闘を繰り広げたアイツラ!! マジ燃える。この燃え要素こそ車田メソッド!! 阿修羅編で12機の黄金のヘリコプターが来た時なんぞガキンチョハートにずっきゅーんとキマシタヨ、ホント。
ただ問題は…あんなに強かったのに自軍に入るとビミョーな仕上がりになっちゃうコト。何故か漂ってくる雑魚臭。わかりやすく言えばセルと戦ってる時に天津飯がパーティにいる切なさみたいなモンっすね。ガキンチョハートに溢れだすこの切なさ。でもこの切なさも車田メソッド。マジ切ないぜ…

④五重の塔システム


バトル漫画ってヤツは何故かすぐに武闘大会をしたがります。もしくはさらわれた相手は謎の塔の上に幽閉され各階には門番配置。突入する主人公ズ!!「ここは俺に任せて…オマエラは先に行け!!」そして相打ち…「ふ…あとは任せた…ぜ…」とフェードアウト…このお約束もモチロン車田メソッド
最初に出てきたのは確かお姉ちゃんがさらわれた影道編の「影道の塔」でしたっけ? 一の階「朱雀の間」から五の階「鳳凰の間」まで各階に門番がいてソイツラをブッ飛ばしていくって展開にテンチョン超上がったのを覚えてますわ。まぁぶっちゃけブルースリーの『死亡遊戯』まんまなんですが、ソレを素早く漫画に取り入れたあたりやっぱ御大はグレートでしたよねぇ。あまりにも気に入ったのか、油断したらすぐ門番システムを出しちゃうあたり御大マジお茶目。しかも5戦くらいじゃ満たされなくなったのか阿修羅編ではソッコー「9つの門」にパワーアップ。でもって『聖闘士星矢』ではご存じ12宮に更にドン。この偉大なるマンネリズムへの飽くなき探求心も車田メソッド!! おそろしあ。

⑤伝説のアイテムシステム


まだあるバトル漫画に欠かせない要素…それは「伝説のアイテム」。コレも車田メソッド
主人公はやっぱ主人公なので主人公らしく伝説のアイテムを装備。他のモブ達との違いを盛大にアッピール。「まさか…それはあの伝説の…」と口走る雑魚衆たち。このデジャブ起こしまくりの様式美も御大の十八番。
リンかけ』で登場した伝説アイテムは「カイザーナックル」。さらわれたお姉ちゃんを助けに行く主人公が何故かジムのおやっさんからゲッツした逸品。いきなりワンパンで電柱ぶっ壊して伝説級アイテムの片鱗を見せつけ『リンかけ』を間違った方向にクイっと引っ張っちゃいましたが、この「カイザーナックル」の真価はそんなモンじゃなかったです。もうぐいぐいイキます。物語が進むにつれ「オリハルコンでできてる」「古代アトランティスの皇帝が持ってた」「実は左右一対のアイテムでそれぞれが呼び合ってる」等々、学研『ムー』でも追いつけないスピードで伝説級設定が増加されていき、もうとんでもないコトに…
ちなみに『風魔の小次郎』では「伝説の10本の聖剣」に伝説アイテムも大幅パワーアップ。この辺の「とりあえず設定マシマシでいこうぜ」的ムーブも車田メソッド。細かいコトは気にしない。とりあえず話はデッカクする。御大マジ止まんない。


…とまぁ、ザッと挙げただけでもコレくらいはあるんですよね、御大の偉業は。
でも、この「勝利」「新たな敵」「修行でパワーアップ」「勝利」「新たな敵」「修行で…」っていう車田輪廻は、あまりに偉大すぎて後の少年漫画のテンプレというか「呪い」となってしまったんですよね。この呪いの輪廻にハマると際限なくインフレ化が進み、主人公達は永遠に強くなっていかざるを得ないんすよ。そうしないと物語が終わってしまうので。故に「呪い」みたいなモンなんすよね。そして多くの漫画がこの呪いにかかってしまいました。
わかりやすい例だと『ドラゴンボール』なんてまんま車田輪廻ですよね。ベラボーに面白かったですが。あと『ブリーチ』なんかもわかりやすいですよね。

ウチはそんなに漫画には詳しくないですが、そのウチが知ってる限りでこの車田メソッドの呪いの輪廻から解脱出来たのは、主人公が最初から最強という逆からのアプローチをとって新しいテンプレを産み出した『バスタード』、そしてバトル漫画に「スタンド」という画期的な要素、つまり「主人公たちの能力は最初から決まっていて特に成長せずにジャンケンのように相性と頭脳戦で勝負が決まる」という、これまた新しいテンプレを産み出した『JOJO』シリーズくらいじゃないですかねぇ? 
それ以外の多くのバトル漫画が御大のマッチョ思想の輪の中でグルグルしちゃってる気がします。もちろんソレが悪いコトでは全然ないですけどね。作品が面白ければそれで正しいワケですし。

でも御大のテンプレが今でもガンガン使われ続けてるってのは、それだけ読者のハートを掴む要素ってヤツが最初から盛り込まれてたってコトなんじゃないですかねぇ。
リンかけ』連載開始が1977年、実に40年近く前の話です。そこから今に至るまで使われ続けてるテンプレを産み出した車田御大はやっぱグレートでジーニアスすぎるってコトなんすよ。
もしも漫画好きで未見のヒトがいたら、とりあえず『リンかけ』は読んでみて下さい。40年前の漫画ですが絶対にラストまで一気読みしちゃうコト間違いなしですから。未見は勿体ないですよん。