3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。たまにその他。役に立たない短文駄文ですヨ。この世を燃やしたって一番ダメな駄文は残るですヨ!!

【旧駄文】『25時のバカンス』は素晴らしいんよマン。

今深夜の1時前。つまりは「25時」ですな。そして今読んでいるのが『25時のバカンス』…夜中になるとたまーに読みたくなるのよね。
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この作品、ネッ友さんに以前に教えて頂いた漫画家、市川春子さんの短編集ですが、ホントに出会うことが出来て良かった!! 人生損するとこだったよ…と思わされた1冊です。…教えて頂いて感謝感謝!! いやホント。

ウチはただの漫画好きで評論家でもないから、この作者、作品の凄さを的確に表現することなんて到底できないですし、まぁする必要もないんですが、ただ、この世界観、感性は唯一無二のものだと思うし、多分そういうモノを「才能」って言うんだろうなぁ…と、ありきたりのことを思うワケなんです。なんでも「才能」というコトバで括られるのは、作者にとっては失礼な話かも知れませんが。

漫画というのはアタリマエだけど「画」で物語を読ませるモノで、画のチカラというものはとても大きなファクターだと思います。でも、その画によって綴られていく「ストーリー」というモノも、同じくらいかそれ以上に重要なファクターだと思うんですよねー。まず「伝えたいモノ」があって、それを伝えるために画という表現手段を選んだのが漫画家だと思うので。で、この市川春子さんは画が素晴らしいのもさることながら、その物語が素晴らしいんですよねー。現在『アフタヌーン』で連載中の『宝石の国』もホントに素晴らしいんですが、短編集の方は作者の魅力が凝縮されて、より濃密になってる気がするんですよ。

この短編集には3つの短編が収められており、全てが素晴らしいんだけど、特に気に入っているのが表題作でもある『25時のバカンス』。もう何回読んだかわからないです。

でもなんなんだろ?この感じ?この毎回感じる不思議な読後感…内容は一言でいえば「姉弟の恋愛」を描いた作品。
それだけなら、良くあるストーリーだと思いますよね? でも、この作品と同じ感覚を味わえる作品は、滅多に無いんじないかなぁ。
すっごいエロスというか淫靡な感じが全編を通して漂ってるというか… 「卑猥」とか「性的」とか「イヤラシイ」じゃないけど淫靡なんですよねぇ。直接的なドギツイ描写や表現がある訳じゃないけど、とんでもなくエロスなんですよ。
「禁じられた愛だから…」みたいなチープなものじゃない、もっと別の背徳感。ありきたりな近親相姦もののテンプレなエロスじゃない、もっと別の生々しいエロス。見てはいけないモノを覗き見しているようなこの感じ。そして、姉の弟への愛しさ、切なさ、弟の姉の気持ちに対する戸惑いのような感情。そういったものが全部ごちゃまぜになって、ホントに何とも言えない気持ちになるんですよ。
小さい頃に、木から落ちて大怪我をした弟を見つけたのに、すぐに救急車を呼ばなかった姉。「今この世界でこの子を助けられるのは、自分しかいない。自分だけが出来る」という強烈な喜び、背徳の恍惚感。
上手くいえないけど、その背徳感、恍惚感、そして「死」が近づいた時に立ち昇ってくる強烈なエロスみたいなものが全編を通じて流れてるような気がしましたねぇ。

ちなみに登場人物の姉は、とある事情により貝に寄生され体内が空洞になっているのですが、割れた太ももから弟が手を入れて姉の体の中をまさぐる一連の場面は必見だと思いますよ。あんなにエロティシズムと背徳感を感じさせるシーンはなかなかお目にかかれるモノじゃないと思いますし。

ちょっとヒトを選ぶ漫画かも知れませんが、興味が湧いた方は是非一度読んでみて下さいね。きっと他の漫画では味わえない感覚を味わえると思いますので。それでは。