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3104丁目のオタク小屋

ゲーム。プラモ。アニメ。マンガ。たまにその他。役に立たない短文駄文ですヨ。この世を燃やしたって一番ダメな駄文は残るですヨ!!

【旧駄文】『もう一つの夏へ』再びマン

不惑半ばになり、オジイチャン化が急速に進行しているのか、最近、10代~20代くらいにハマったモノが無性に懐かしくなるんですねぇ。はい。 

音楽、小説、ゲーム… 
とにかく青春時代ってヤツにハマったモノを無性に再消費したくなってるんですよ。ここんとこ。そんなワケで、アマゾンでポチっと購入しちゃいました。飛火野耀の『もうひとつの夏へ』上下巻を。

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この小説、奥付を見ると初版は平成2年ですから、もう25年前の作品。 
ちょうどウチが二十歳になるかならないかくらいの時に出会った本ですね。ヒトの記憶ってのは不思議なもんで、もう25年も前のことなのに、買った本屋はもちろん、店のどこに陳列されてたかもはっきり覚えています。もちろん買った理由もハッキリ覚えています。 
それは「表紙の絵に惹かれたから」。それだけ。 

たまたま上巻が出たばかりのこの本が、文庫コーナーに平積みされていて、その表紙に描かれていた岡崎武士のイラストに惹かれて買ったんですね。丁度その頃に岡崎武士の描いていた『精霊使い』って漫画が好きだったせいもあり、特に内容も確認せずに買ったワケです。 
「挿絵も岡崎武士が描いてるし、それだけでも買いかな?」くらいの軽ーい気持ち。まぁ、音楽でいうとこの「ジャケ買い」みたいなもんですかね。 

そんな非常に失礼な理由で買ったので、正直内容にはそんなに期待はしてなかったんです。ちなみに、この小説のレーベルは「角川スニーカー文庫」。当時、そんな言葉があったかどうかは覚えてませんが、今でいう「ライトノベル」「ラノベ」ってジャンルのヤツです。朝日ソノラマから富士見ファンタジア、そして角川スニーカー文庫と当時のラノベをつまみ食い程度に読み散らかしていたウチにとってのラノベの印象は、「面白いけど、もうそろそろ厳しいかなぁ」って感じ。
当時もう二十歳になろうというニンゲンにとっては、まぁ至極真っ当な感想。さすがに「剣と魔法」や「サイバーパンク」はお腹イッパイに近かったんですね。 
とまぁそんな理由もあり、この『もうひとつの夏へ』も全然期待せずに読んだワケなんです。実際、裏表紙の内容紹介を読んでも、その当時でも既に目新しくはなかったパラレルワールドの世界崩壊モノっぽくて、まぁアリガチな感じかなぁ…っと思っていたので。 

ただ、実際読んでみてビックリ。 
何ていうかすごく異質な、普通のライトノベルと根本的に違う感じがしたんですよね。 

パラレルワールド、世界の崩壊、サイバースペースといったガジェットや、「世界が崩壊に瀕していることに偶然気付いた主人公達がその危機を回避するために行動する」というストーリー自体は間違いなく、よくあるライトノベルのソレなんですけど、明らかにそれまで読んだライトノベルと違う、この小説独特の、寂しいような悲しいような不思議な読後感があったんですよね。 

それが文体のせいなのか、それとも、もう全てが終わってしまい、全てが失われた後の話だからくる切なさなのか、感受性とボキャブラリーに乏しいウチにはわかりませんし、上手く説明も出来ませんが、とにかく普通のライトノベルとは全く別モノだったんですよね。

なんていうか、誤解を招く表現をするならば「純文学として書かれたラノベ」って感じ。 
「純文学」とは何なのか? や「大衆小説」であるラノベ小説が純文学なのか? もっと言えば、純文学と大衆文学の区分は何なのか? みたいなヤヤコシイ話はわかんないからパスしますが、なんとなーくそんな感じがしたワケなんですね。 

ついでに、さらに誤解と反感を招く言い方をするなら、 
村上春樹ラノベを書くとこうなる」みたいな匂いも感じたんですよね。 
上手く言えないけど、村上春樹の作品、特に初期の作品群を読んだ時に感じる、「どうしようもなく、もう終わってしまったこと。終わっていくこと」への寂しさや悲しさみたいなモノに近い感覚を受けるというか…何というか…ふぅ。
とまぁ、グダグダと取り留めもなく駄文を書き殴りましたが、要するに、この小説はウチにとって、だいぶ特別な位置にある小説、ってコトなんですね。 

ただ、初めて読んだのは、まだ青臭く拗らせていた青春ド真ん中の二十歳前後。 
今よりも、良くも悪くも感受性だけは高かった黒歴史時代。はたして、今読んでみたらどんな気分になるのか…そんなワケで、25年ぶりにじっくり読んでみようと思います。 

40超えたオッサンになった今、自分がどんな感想をもつのか、楽しみなような、不安なような…なんともいえない不思議な感じですけど、コレも読書の醍醐味の一つってヤツ。ゆっくり楽しむつもりです。楽しみー。